本のお話(3) 宮本輝著「愉楽の園」 | bonbonの日常と非日常
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本のお話(3) 宮本輝著「愉楽の園」

2020/01/14 09:48:22 | 本のお話 | コメント:0件

宮本輝著

【愉楽の園】


宮本輝全集第9巻でとても字が小さく分厚い本です

本 (8)

タイのバンコクが舞台で・・

もう~そこに3年も暮らす恵子は、日本で大学を卒業し、外国の航空会社のCAの訓練を受けたがすぐに退社した

それは・・

学生時代から英語の個人レッスンをしてくれた、指揮者だった男と恋をし、妻子持ちだった彼が自殺未遂の末

廃人の様な状態となった・・という理由からだった


そんな現実から逃れたくて 

ふらっと出かけたバンコクで、ふと知り合ったタイの政府高官で王家の血を引く男・サンスーン

サンスーンは妻を亡くした50歳代で、出会って3日目に、恵子に岸辺の邸宅を用意した

恵子は・・どびっきりの美人・・だと野口(世界を放浪してバンコクにやって来た男)は言った

そこで読み手は・・恵子を想像するが、黒髪なのか、色白なのか、スレンダーなのか、背が高いのか、黒目勝ちの大きな瞳なのか

その点の説明は一切ない

宮本さんの小説の女主人公は大抵が美人だ

私は最後まで、彼女の姿形を想像して楽しんだ


野口とバンコク駐在の記者・小堀と彼を取り巻く男や女

サンスーンとボディガードの男を取り巻くタイの社会事情

そんな、こんなを織り交ぜて、バンコクというタイの都会の生活を描いている

タイシルクの他にタイには好きな物が無かった恵子だが、タイ語を習い始めた

最初から恵子に一目ぼれのサンスーンは気長に恵子が自分を愛してくれる日を待っている

突然 現れた野口に心を動かし、ひと時の愉楽(悦楽)を共にして、日本へ帰ろうかと迷う恵子

恵子はやっぱりサンスーンとの結婚に踏み切るのか

最後は読み手に任せた形で終わりました


過去に・・短期間ですがバンコクに住んだ事があります

敬虔な仏教徒の国ですが、泥棒が多かった事、纏わり付く様な暑さに参った事

貧富の差が大きく、一人では外出しなかった事などが思い出されました

家には運転手とその家族、お手伝いさんとその家族が住み込みでいた事

この小説を読んでいて、うん、うん、と頷ける部分が多々ありました

その後も 何回かバンコクへ行きましたが、もう一度行ってみたい


宮本文学の流れる様な文体と豊富な語彙

美しい日本語を堪能できる小説です

処女作の【弾道】から12年の歳月をかけて【愉楽の園】を書き上げた宮本さん

1989年初版ですが、何処にも古さを感じさせない会心の長編小説だと思いました


それにしても・・

恵子は最後にどうして迷ったしまったのだろう

バンコクという外国で、タイ人の妻になる不安というより

過って・・無邪気に、懸命に、素直に一直線に愛した恋人の指揮者の様に、あんなに愛する男はもう得られない

そんな男がサンスーンではなく、もしかしたらあの風来坊だけど将来の楽しみもある野口かも知れない・・と

むこう側(貧)とこちら側(富)しかないこの蒸し暑い国で、何かをひっくり返す快感の様な気持を味わいたい・・と

恵子の気持は揺れ動いてるのだ

あぁ~~何だか、今も余韻に浸っています
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