本のお話（７１）浅田次郎著「見果てぬ花」

浅田次郎著

【見果てぬ花】




エッセイ集です

２０２０年の発行だから比較的新しい本です

３０篇以上のエッセイが楽しめる

浅田さんはエッセイより小説の方が好きだけど

エッセイは小刻みに

チョットの時間を見付けて読めるのがいい

面白かったお話が沢山あったが一つだけ


「タオル大好き」

浅田さんちの物干しは

満艦飾の船出かチベットの祭りかと思えるほどタオルがはためく

浅田さんは温泉好き

温泉宿から持ち帰ったタオル

旅先で写真を撮らないが持ち帰ったタオルで旅を懐かしむ

そして

温泉に入る時

タオルで前を隠さない若者に言及する

そして

「礼の喪失」に至る話になる

眞に起承転結を得た物語に仕上げる

さすが浅田さんだと唸る


事程左様に

面白おかしく

ハチャメチャな様で教訓を含み

嫌みタラタラでも悪い気がしない

浅田さんはハゲでデブでクレバーな物書き

・・と

ご自分で言う

面白いエッセイ集です